ミレニアム通信過去情報 1354563

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フランシス・ベーコンとキング・ジェームズ訳聖書3

1:tomi :

2012/05/08 (Tue) 16:47:13


(1)

1307年にローマ・カトリック教会は、テンプル騎士団を迫害し、そのグノーシス思想と科学的知識は地下に潜った。芸術や科学に詳しい人々は、ヨーロッパ全土の小さな秘密の集会を持って集まるようになった。(Richard Allan Wagner, Ibid., p. 54)

この秘密の「運動」は、これに関わる人々によって「目に見えない大学(The Invisible College)」とか「偉大な社会(The Great Society)」と呼ばれた。(*)

このときすでにこれが、「薔薇十字団」とか「フリーメイソン」と呼ばれるようになっていたか定かではないが、まだ統一的な目標を持ち、行動を取る組織としては成立していなかったことだけは明らかである。

しかし、この運動は、ルネサンスの起点となると同時に、初期の段階においては、ダビンチやミケランジェロらイタリア人の天才的職人の出現によって爆発的に発展した。

この流れは、16世紀にイギリスにおいて知的な果実を結ぶことになる。フランシス・ベーコンを指導者として、イギリスの文学、科学、社会思想は大きな進歩を遂げた。

(2)
「薔薇十字団」の形成において礎石となったのは、イギリスの神秘学とカバラ学の絶対的権威であったジョン・ディー博士である。

若者であったフランシス・ベーコンを薔薇十字団に引き入れ、イニシエーションを授けたのは、まさしく彼であった。

オランダの詩人ジェイコブ・キャッツの墓碑(1655)には、「開かれた墓の上で、ディーは、ベーコンに『薔薇十字団の光を放つランタン』を渡した」と記されている。

フランシス・ベーコンは、薔薇十字団のリーダーになった。

ジョン・ディーを通じて活動初期のころのベーコンと知り合ったドイツの薔薇十字団のマスター、ミヒャエル・マイヤーがロンドンにやってきた。それには、2つの理由があった。(55ページ)

1.シェークスピアを学ぶため。ベーコンが所属していた薔薇十字兄弟団(Fra Rosi Crosse)が作り、シェークスピアが用いた新しい英語には、薔薇十字団の象徴がふんだんに織り込まれていた。シェークスピアが用いた豊かな暗喩の言葉はすぐに、この運動の基本的理想と思想を表現するための手段となった。

2.運動の方向性を決め、目的をはっきりと表現するようにベーコンを説得するため。この目的のために、マイヤーは、実際にはいかなる権威もなかったが、薔薇十字団総統(Rosicrusian Imperator)の称号をベーコンに与えた。ベーコンはそれを謙遜に受け入れた。

(3)
薔薇十字団の創設に際して、ベーコンは、その組織が偉大なる回復(Great Instauration)を純粋に、かつ妨害なく遂行するために、様々な対策を講じた。

ベーコンは自らが宗教の教祖になることを避け、薔薇十字団がベーコン教にならないために、教祖を神秘的な人物Christian Rosenkreutz(または、Brother CRCやFather CRC)に設定し、自らの名前を暗号として隠し、それを解読しない限り表面に現れないようにした。(56ページ)

(4)
ユートピアの概念は、プラトンの『国家』に始まる。17世紀以前に、このような理想の社会は、書物か想像の中にしか存在しなかった。

フランシス・ベーコンは、自らの理想の社会、薔薇十字団の理想的文明を、著書『新アトランティス』の中で描いた。

この理想社会は、ヨーロッパにではなく、新大陸に求められた。

ジェームズ王の主要な計画の一つは、新世界の植民地化の拡大であった。この計画と薔薇十字団の理想が合体し、バージニア会社が生まれた。

ベーコンは、バージニア会社の創設メンバーの一人であった。

バージニア会社とは、「北アメリカ海岸に植民地を建設する目的で、1606年にイングランド王ジェームズ1世に勅許された1組のイングランドの株式会社」(Wikipedia)である。

この会社の憲章が、アメリカ合衆国憲法の著者に影響を与え、その土台となった。

(5)
1606年に、いくつかの薔薇十字団による植民地が建設された。そのうちで最も大きかったものが、現在のペンシルベニア州に発展した。後に、(ベーコンの影響を強く受けていた)ベンジャミン・フランクリンが、最高位の薔薇十字団及びフリーメイソンの会員としてこの植民地から現れた。

前述のとおり、他のアメリカの国父たち、すなわち、ジョージ・ワシントン、トマス・ジェファーソン、トマス・ペインもベーコンに強く影響されていた。

(6)
このように見るならば、アメリカ合衆国とは、クリスチャンの国家というよりも、薔薇十字団・フリーメイソンの国ということができる。

アメリカ合衆国の建国の目的は、薔薇十字団・フリーメイソンの国の建設であり、それは、悪魔の計画である。

エデンの園から現在までの悪魔の流れはこうだ。

1.エデンの園におけるサタンの誘惑「知識(力)による救い」

2.洪水前の反神的文明(アトランティス)

3.バベルの塔

4.バビロン文明

5.グノーシス

6.テンプル騎士団

7.ジョン・ディー

8.フランシス・ベーコン

9.薔薇十字団・フリーメイソンの結社

10.キング・ジェームズ訳とシェークスピアを通じての英語革命・キリスト教の破壊と薔薇十字団・フリーメイソンの宣伝

11.ベーコンの弟子を通じてのアメリカ建国

12.アメリカの武力と文化を通じての世界制覇


(*)

「大社会(Great Society)」は、デューイの理想でもあった。また、ジョンソン大統領も、これをスローガンにかかげて、社会主義政策を推進した。


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